最近では割と簡単に起業できるようになり、起業する女性も増えていますが、起業する際の資格は必要なのでしょうか。
本記事では、資格が必要な起業と資格のいらない起業、資格の有効な活かし方や資格がなくてもできる起業などについてご紹介します。
これから起業することを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
女性が起業する際に資格は必要?
女性が実際に起業する際に資格は必要なのでしょうか。
女性の起業では全体の76.5%が一般消費者向けに起業しているという特徴があります。
さらに、一般消費者向けの中でも女性を対象にした事業で起業することが多いのが特徴です。
例えば、エステやネイルサロンやヨガ教室、料理教室、カフェ、雑貨店など、一般消費者の女性を対象にした事業で起業する割合が高くなっています。
下記の画像は、日本政策金融公庫が2013年に実施した女性起業家の業種別のデータです。
女性が男性を上回っている業種は、「個人向けサービス業」や「小売業」などBtoCのビジネスである。
実際、主な販売先をみると、「一般消費者」と答えた割合は、女性 起業家では76.5%と、男性起業家(59.0%)よりも15ポイント以上も高くなっている。
引用:日本政策金融公庫
上記のデータを参考に、起業をする際に、実際に資格が必要なのかについて詳しく見ていきましょう。
資格が必要な起業と必要でない起業がある
女性が多く起業をする中で、資格が必要な起業と必要でない起業があります。
エステやネイルサロン、ヨガ教室などは資格が必要な事業です。
これに対し、料理教室やカフェ、雑貨店などは資格がなくても起業ができる事業です。
厳密にいえば、エステやネイルサロン、ヨガ教室なども資格がなくても起業自体はできると言えます。
資格があったら有利というだけで、資格が無ければ開業できないというわけではありません。
免許ではありませんので、資格が必須とまでは言えません。
資格がなくても起業できる事業が増えている
また、最近では、ネットを活用した起業も多く、資格がなくても起業できる事業が増えてきました。
ブログに貼り付けた広告で稼ぐアフィリエイトやフリーランスとして記事を書くライター、ハンドメイド作品を販売するなど様々な起業方法があります。
ネットを活用すれば簡単に起業できる場合も多く、資格のいらない起業も増えているのです。
教える教室系などは資格が必要な場合も多い
起業する事業内容によって、資格が必要かどうかは異なります。
人に教える教室などを開業する場合は資格が必要なことも多いですが、料理教室の場合は資格がなくても起業している人が多くいます。
必ずしも資格が無くても、教える事業で起業することが可能です。
起業する際に資格があるメリット
資格には国家資格や認定資格などがあり、それぞれ内容が異なります。
資格を取得する際には、よく調べた上で取得するようにしましょう。
様々な資格がある中で、どの基準の資格を取っていれば独立起業ができるのか、しっかり確認して取得することが大切です。
資格を取った後に「あまり役立たなかった」ということにならないように、事前に確認しておく必要があります。
趣味の範囲で取得する資格と、実際に独立起業するための資格は異なるので、どんな資格を取ったらいいのか最初にきちんと調べておきましょう。
ここからは、起業する際に資格があるメリットについてご紹介します。
専門知識やスキルが身につく
資格を取得した場合の1つ目のメリットは、専門的な知識やスキルを備えることができるという点です。
資格を取るためには、独学で勉強したり、通信教育や教室に通ったりして勉強する必要があります。
通信教育の場合は、通信講座主催の認定試験がそのまま受けられるシステムも多いので、勉強して同時に資格も取得することが可能です。
また、資格取得のために勉強して知識やスキルを身につけることは、自信にも繋がります。
様々な内容の講座があるので、起業を目指せる資格を選んで勉強することができます。
例えば、ネイルサロンを開業する場合の認定資格にも下記のようにどれを取得したらいいか迷ってしまうほど様々なものがあります。
- JNECネイリスト技能検定(ネイル検定)1・2・3級
- JNAジェルネイル技能検定(ジェル検定)初・中・上級
- ネイルサロン衛生管理士
資格を取得するための通信講座もあるので、自分にあった受講方法で資格取得を目指すのがおすすめです。
「JNECネイリスト技能検定(ネイル検定)」を取得して独立を目指すのであれば、2級以上を取得しておく必要があります。
ネイリストとして独立するためには上記の資格を目指す必要があるので、それぞれの特徴をしっかりと確認してみましょう。
資格の勉強をすることで、体系的な基礎知識が得られると同時に、専門的な理論に基づくスキルを磨くことが可能です。
知識や理論に裏付けられた資格を取得することができるので、起業する際も大きなメリットになります。
スキルを認めて評価してもらえる
資格を取得することによって、自分のスキルが認められる点も大きなメリットです。
資格は、自分のスキルや知識がどの程度あるのかを示す証明になります。
資格取得によって知識やスキルが認められ評価されるのはメリットです。
資格を取得する場合は、信頼性や実績、知名度や歴史のある資格取得を目指しましょう。
資格によって信頼が得られる
起業する際に資格を持っていることで、多くの人々に信頼されるというメリットもあります。
歴史や知名度がある資格を持っていると、多くの人が納得し、信頼度が高まります。
初めて起業をする際には実績がありませんので、資格がないとスキルの信頼性が得られません。
スキルや知識があることを証明する手段として、資格を取得するのもひとつの方法です。
特に人に何かを教える教室や施術するサロンでは、資格があることで信頼性が得られることが多くなります。
開業当初にPRする際にも、資格を明示することで信頼を得ることができ、集客もしやすくなるのもメリットです。
資格の有効な活かし方
資格を取得する場合は、取得すること自体が目的になってしまわないことが大切です。
資格取得はあくまでも起業を成功させるためのひとつの手段と捉えて、取得した資格を起業に有利に活用していきましょう。
起業する際には資格を持っていることをアピールすることで、信頼感が得られやすく、集客にも繋がります。
具体的な知識や技術も明記しておくとさらにわかりやすいでしょう。
資格により知識やスキルがあること、資格のネットワークも活かした事業が行えることなどもPRできれば有効です。
〇〇協会認定や〇〇協会といったネットワークがあることもアピールできればメリットになります。
実際に資格を取得した協会などのネットワークを活かして、様々な情報交換や勉強会やセミナー、イベントなどが行えることもありますので、有効に活用していきましょう。
独立に有利な資格一覧
ここからは、起業して独立する際に有利な資格を一覧でご紹介します。
ここで紹介している以外にも多くの資格がありますが、ここでは女性が取得して独立しやすいおすすめ資格を一覧にまとめました。
ほとんどが認定資格ですが、国家資格がある場合は民間資格よりも国家資格を取っておく方が有利です。
必ずしも資格がないと起業できないわけではありませんが、資格があると有利になる事業なので、参考にしてみるといいでしょう。
起業の種類 | 資格名 |
エステサロン | CIDESCOインターナショナルエステティシャン |
AEA認定エステティシャン | |
AJESTHE認定上級エステティシャン | |
AJESTHE認定衛生管理者 | |
IPSNビューティセラピー国際資格 | |
IPSNジュニアビューティシャン | |
INFA国際ライセンス | |
ネイルサロン | JNECネイリスト技能検定(ネイル検定)1・2・3級 |
JNAジェルネイル技能検定(ジェル検定)初・中・上級 | |
ネイルサロン衛生管理士 | |
ヨガ教室 | NPO法人 日本YOGA連盟認定資格 |
一般社団法人全日本ヨガ協会(AJYA)認定資格 | |
社団法人日本ヨガインストラクター協会認定資格 | |
整体師 | 国家資格あん摩マッサージ指圧師 |
英会話教室 | 英検2級以上、TOIEC |
通訳ガイド | 通訳案内士ガイド資格 |
カラーコーディネーター | カラーコーディネーター検定試験 |
ファイナルシャルプランナー | 国家資格1~3級FP技能士 |
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会AFP資格・CFP資格 |
資格が無くても女性が起業できる事業一覧
続いて、資格が無くても女性が起業できる事業についても一覧でご紹介します。
資格が無くても起業できる事業は他にもたくさんあるので、女性が起業する際にはおすすめです。
起業の種類 | 事業内容 |
料理教室・お菓子教室 | 調理師免許などを持っていなくても、様々なニーズに対応した料理教室、お菓子教室などが可能 |
学習教室 | 教員免許などがなくても指導が可能 |
フリーランス | サイトにライター、データ入力、デザインなどで自由に登録可能 |
ハンドメイド作家 | ハンドメイドサイトで自由に出品可能 |
ブロガー | ブログに広告を貼り付けてアフィリエイトで稼ぐ |
ユーチューバー | ユーチューブで広告に誘導して稼ぐ |
飲食店・カフェ | 調理師免許を持っていなくても様々な料理店が可能 |
服飾・雑貨店 | 自分で仕入れて自由に販売することが可能 |
最近では、資格が無くても起業できる事業がたくさんあります。
教室を運営する場合も、料理教室やお菓子教室などは資格が無くても起業が可能です。
また、フリーランスで起業する場合は、資格ではなくスキルや作品によって評価が得られます。
自分のスキルや作品が評価され成功を収めている人もたくさんいるので、スキルや作品に自信がある人にはおすすめです。
資格が無くても起業できる事業は、資格取得のための費用や時間がかからないのがメリットです。
資格を取るために100万~200万円かかる場合も多くありますが、資格のいらない起業であれば少ない資金でも始めることができるので、開業資金が少ない場合は検討してみるといいでしょう。
また、資格をいくつも取得することに一生懸命になり、起業の機会を失ってしまうといった例もあります。
資格を取ることがゴールになり起業できなければ意味がないので、起業することが目的であれば、資格が無くてもできる起業方法を考えてみましょう。
飲食店・カフェ・アパレル・雑貨店などのサービス業や小売業であれば資格は必要ないので、すぐに開業できるのがメリットです。
カフェの場合は、コーヒーソムリエ資格やカフェオーナー経営士資格などがありますが、取得しなくても開業はできます。
ただし、知識やスキルを磨いて証明するための手段のひとつとして、資格を取得するという方法もあることを覚えておきましょう。
結局は資格があってもスキルの方が大事
ここまで、資格を取得して起業する場合と、資格が無くても起業できる場合についてご紹介しました。
どちらの方法で起業するか悩む人も多くいるでしょう。
資格取得は知識やスキルを証明する意味合いも大きい
資格取得は、スキルを証明する意味合いも大きいので、資格を取得しなければ開業できない場合を除けば、実際にはスキルを磨くことが一番大事なこととも言えます。
資格を取得する場合でも、取得しない場合でも、最も大切なのは「勉強して知識やスキルを身に付けている」ということです。
資格取得に関わらず、勉強して知識やスキルを高めていくことに重点をおきましょう。
取得する資格で学ぶことよりも専門的な知識やスキルが身についていれば、資格に頼らずに起業することも可能になります。
また、資格を取得した後も、自分でスキルを磨き続けることが事業を成功させるポイントです。
常に専門的で高度なスキルを提供し続けることで事業を成功させましょう。
経験を積みながらスキルを磨く方法もある
経験を積みながらスキルを磨いていく方法もあります。
整体師の場合
整体師になる場合は、整体のサロンで実際に働きながら技術を習得していく方法もあります。
資格だけに頼らず、働きながら実績を積みスキルを磨くこともできるということです。
料理教室の場合
資格がなくても開業できる料理教室などの場合でも、例えばマクロビ料理など、専門的な料理の研究やスキルを磨くことで集客が見込めます。
資格の有無にかかわらず、どれだけの専門的な知識やスキルがあるかが大事なことになります。
ネット起業の場合
ネットを活用して起業する場合は、特別な資格がなくてもスキルがあれば起業が可能です。
スキルのない初心者でも起業することができ、実績を積みながらスキルを上げていくことができます。
ライター
フリーランスのライターとして仕事を受ける場合も、最初から立派な記事は書けなくても簡単な文章から書いてスキルを磨くことができます。
様々なジャンルの記事をたくさん書いていくことでスキルが自然に磨かれていきます。
最初は勉強の意味合いを込めて様々な仕事に挑戦し、スキルを身に付けて高単価の仕事を受けられるようになっていきましょう。
ハンドメイド作品販売
ハンドメイドをサイトで売る場合も、最初は売れないことが多くあります。
どんな物が売れるのかを研究し、たくさん作っていく中で自分のスキルを上げていくのがおすすめです。
最初から売上を期待しないで長く続けることも大切です。
ブロガー、YouTuber
ブロガーやYouTuberについても、最初は趣味でやり始める人も多くいます。
多くのフォロワーを集めるような記事が書けるようになることで、アフィリエイトで収益が上がるようになります。
女性の起業でも、まずは経験を積みながらスキルを磨くことが大切なことです。
集客に繋がるアピールポイントは資格だけではない
資格は起業した当初に信頼を得るために有利だということをお伝えしてきましたが、資格に代わるようなスキルを磨くのもおすすめです。
信頼性が得られるようなスキルを身に付けてみるのもいいでしょう。
英語教室をやる場合には、資格がなくても海外留学経験があれば信頼が得られて集客の武器にもなります。
自分の武器となるようなスキルを持っておくことで、資格がなくても集客に結びつけることができます。
起業当初の集客が大変という女性起業家はとても多く、最初にどうアピールするのかがとても重要な問題です。
アピールできるスキルを身に付け、人とは異なるオリジナリティを持つことが大切なポイントです。
料理教室の場合でも、どんな料理教室なのか、何を専門としているのかなど、具体的なスキルやオリジナリティが大事です。
多くの教室や競合相手がいる中で、資格以外にもアピールすることができるオリジナリティや特徴を持つようにしましょう。
より専門的な分野で起業して、より専門的な知識やスキルで細かな所に手が届くサービスを提供することができれば、大きなアピールポイントとなります。
資格が無くても、知識やスキル、オリジナリティを持つことが集客にも役立ち、事業の成功にも繋がります。
集客には資格のアピールだけでなくSNSも活用する
資格があることをアピールして集客する以外にも、最近ではSNSを使って集客する方法が盛んになっています。
資格ではなく、自分自身のスキルや作品をSNSでアップして、それを直接評価してもらう方法です。
SNSを活用すれば簡単に全国に向けてアピールすることができます。
SNSを上手に活用して、自分のスキルや作品に注目が集まるようにアピールすることも大切です。
SNSであれば、資格を持っていなくても、画像や映像や文章を使ってターゲット層に有効にアピールできます。
SNSを活用していくためにも、上手な活用方法をしっかりと身に付けておきましょう。
資格取得以外にも、スキルや知識を磨き、SNSを上手に活用してアピールすることは、女性の起業を成功させる大事な要素です。
女性が起業する際の資格についてのまとめ
本記事では、女性の起業に関する「資格」について紹介してきました。
起業する場合は、資格を取得した方が有利な事業もありますが、資格がなくても起業できる事業も多くあります。
必ずしも資格が無ければいけないというわけではなく、自分自身のスキルを磨いてそれをアピールすることが重要です。
スキルを磨く方法にも、独学で勉強する方法や実際に働きながら身につける方法など様々な方法があります。
整体師や料理教室など、最初は働きながらスキルを磨き、知識や経験を積んだ上で独立するという方法もあります。
資格取得だけでなく、自分の知識やスキルを磨き、オリジナリティを出すことが起業を成功させる秘訣なのです。