大学生が起業する場合、「営業」とはどう向き合えばいいのでしょうか。
社会人経験のない大学生は「営業」のノウハウがないため、起業する上では最も難しいと感じる部分かもしれません。
最近では、資金がなくてもパソコン1つで起業することができるため、学生でも起業するのは簡単だと言う人もいます。
しかし、起業することは簡単にできても、事業を継続していくためには「営業」が必要不可欠です。
本記事では、起業する上でなぜ営業が大切なのか、営業の極意や営業方法について詳しく説明していきます。
営業に特化した職業やおすすめの営業本もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
起業する上でなぜ営業は大切か?
まずは、起業する上でなぜ営業が大切なのかを説明していきます。
「営業は必要ない」といったように営業を甘く見ていると、大きな失敗要因になる可能性があります。
起業を考えているのであれば、営業の必要性について、しっかりと学んでおきましょう。
本当のニーズを探ることができる
起業している人の中には「いい商品を開発すれば売れる」と思っている人も多くいます。
「営業をしたくないから」という理由で起業している人や「起業と営業は無関係」と考えている人もいるかもしれません。
確かに、ただ起業するだけでいいのであれば営業は必要ありません。
しかし、起業して利益を出して事業を継続させていくためには、営業は必要不可欠と言って良いでしょう。
営業というと、商品やサービスを売り込むためのものと考えがちですが、営業は売り込むときだけでなく、ユーザーのニーズを探るときにも重要になってきます。
どんなに素晴らしい商品を開発しても、いいサービスを提供しても、それをユーザーが求めていなければ、売上には繋がりません。
ユーザーが求める本当のニーズを探るには、ユーザーと密接にコミュニケーションを図る必要があるため、そこにも営業力が必要となるのです。
本当のニーズを探ることができれば、商品力の強化に繋がり、結果としてユーザーに選んでもらうことができるようになります。
選んでもらうために必要な手段
また、最近ではSNSが幅広い世代に普及しており、企業も営業方法の1つとしてSNSを積極的に取り入れています。
SNSには、低コストで新商品や新サービスを簡単にPRできるというメリットがあります。
また、インターネット上で新製品やサービスを取り上げてくれるメディアも増えています。
そのため、「SNSやメディアでの露出を増やせば売れる」と端的に考えてしまう起業家も多いのです。
しかし、簡単にPRできるということは、ユーザーにとっては数多くの選択肢があるということなので、ただSNSやメディアでの露出を増やしただけでは、選んでもらうことができません。
溢れる選択肢の中から、自分の商品やサービスを選んでもらうために必要となってくるのが営業力なのです。
学生でも知っておきたい営業の極意
前章では「営業がなぜ必要なのか」ということについてお話してきましたが、ここからは学生でも知っておきたい「営業の極意」について紹介していきます。
入念な準備と勉強
営業の極意として挙げる1つ目のポイントは「入念な準備と勉強」です。
起業して商品やサービスを多くの人に売り込んでいくためには、その商品やサービスについて詳しく知っておくことが大切です。
販売する商品の良い点と悪い点、提供するサービスのメリットとデメリットを徹底的にリサーチして知っておくことで、どんな風に売り込めばいいのか的確に判断することができるようになります。
また、ユーザーに質問された場合にもしっかりと魅力を伝えることが可能となるのです。
営業するために動き出す前に、まずはじっくりと知識を増やし準備するところから始めましょう。
想いを伝える力をつける
営業の極意として2つ目に挙げるポイントは「想いを伝える力をつける」です。
「とにかく買って欲しい!使って欲しい!」という気持ちでは、ユーザーの心に響くものはないでしょう。
「お客様にもっとよい商品(サービス)を提供したい」という想いがユーザーの心を掴むのです。
対面であれば、話し方・声のトーン・身振り手振りを工夫してみると良いでしょう。
SNSを活用する場合でも、写真の撮り方や文章を工夫することで、多くの人に想いを伝えることができます。
お客様の利益を第一に考える
営業の極意として挙げる3つ目のポイントは「お客様の利益を第一に考える」です。
優秀な営業マンと言われる人たちの多くは、自分の利益を後回しにして相手の利益を優先に考えます。
相手の利益を第一に考えて行動することで、結果的に自分にも利益が生まれるということです。
「お客様第一主義」といった言葉をよく聞きますが、これも営業の極意ということでしょう。
学生でもできる営業方法
ここからは、大学生などの学生でも実践できる営業方法について紹介していきます。
SNSをフル活用する
学生が最も実践しやすい営業方法といえば、やはりSNSでしょう。
InstagramやTwitterなどのSNSを日常的に使っている学生も多いので、起業して営業方法の1つとして取り入れる場合にも、スムーズに始められるはずです。
巷には数多くのSNSが溢れており、世界中の人達が利用しています。
そんなSNSを上手に活用して営業していけば、日本国内だけでなく世界中の人を顧客にできる可能性があります。
キャンペーンなどを行うことで、フォロワーを一気に獲得し、大幅に知名度を上げることも可能です。
SNSの活用例は次の通りです。
- 新商品や新サービスの紹介
- アンケートで購買者心理を調べる
- イベントやキャンペーンの告知・開催
- 商品やサービスに対する問い合わせ受付
- 利用者の声をピックアップ など
SNSは使い方次第でたくさんのアプローチ方法があるだけでなく、お金をかけずに利用できる点も魅力です。
また、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても有効です。
同世代のネットワークを活用する
大学生などの学生には、周りに同世代の人たちがたくさんいるはずです。
同世代のネットワークを活用して、周りの人たちを巻き込んで事業の知名度を上げていくというのも、学生ならではの営業方法と言えるでしょう。
社会人に比べると、学生は同世代のネットワークや人脈が幅広いので、どんどん活用していきましょう。
学生起業の支援企業や団体にアピールする
一般消費者だけでなく、学生の起業を応援してくれる企業や団体にアピールするのも営業方法の1つです。
学生起業は注目されやすく、応援してくれる企業や団体も数多くあります。
そういった企業や団体にしっかりアピールすることができれば、起業や事業拡大を実現できる可能性が高まります。
新商品や新サービスを一般消費者に営業することと並行して、学生起業を支援してくれる企業や団体に向けて事業計画をアピールしていきましょう。
将来の職業にも生かせる営業に特化した職種
営業力を身につけるためには、実際に営業職として働いてみるのが一番でしょう。
営業職を経験することで、次のようなスキルが身につきます。
- コミュニケーション能力
- 傾聴力
- プレゼン能力
- 企画提案力
さらに社会人としての経験値も上がるので、起業だけでなく就職にも大いに役立ちます。
営業の3つの種類
営業職とひと口に言っても、その種類はとても幅広くいろいろな仕事があり、個人営業と企業営業でも仕事内容は大きく異なります。
そんな営業職を3つの種類に分けると、次のようになります。
- 新規開拓営業…テレアポや飛び込みなどで新たに顧客を獲得する営業
- 既存営業…元々ある顧客に対する営業(=ルート営業)
- プル営業…来店客やWebサイトを訪れた客に対する営業
この中で最も営業力が身につきやすいのは「新規開拓営業」です。
新規開拓営業は、3つの種類の中で最も難しく大変な営業スタイルですが、新規の顧客に対して何度も訪問したり電話をかけたりして自分から積極的にアプローチをかける必要があるので、短期間でも営業スキルが身につくメリットがあります。
起業を目指している場合も就職する場合にも、新規開拓で顧客を掴む営業スキルは非常に重要です。
学生がバイトとして営業職を行う場合は完全歩合制になることも多いので、「どのようにお金を生み出せばいいか」と考えることが増え、経営戦略のような考え方や自己マネジメント能力なども身につきます。
営業に特化した職種
ここでは、学生におすすめの営業に特化した職種を4つご紹介します。
- 企業インターン
- コールセンター
- 不動産会社
- 新聞社
企業インターン
企業インターンは、将来に生かすことができる営業の職種として学生に最もおすすめの仕事です。
学生でありながら企業で働くことはとても貴重な経験になります。
社員と同じように高いスキルを求められることもありますが、そのためには自分自身で勉強し知識を増やす必要があるため、確実に成長することができます。
企業インターンは、大手企業が実施している場合も多いので、実力次第ではそのまま就職できるというメリットもあります。
コールセンター
コールセンターは、テレアポと呼ばれる電話営業を行う仕事です。
扱う製品は企業によって異なりますが、新規の顧客に電話をしてアポイントを取るか、既存顧客に電話をして再契約を促すというのが主な仕事内容となります。
電話対応はどんな仕事でも必ず必要なので、将来的にも幅広い仕事で生かすことができます。
不動産会社
不動産会社でも学生アルバイトを採用している会社がたくさんあります。
主な仕事内容は、社員のサポート業務なので、現役の営業マンの仕事を間近で学ぶことができます。
仕事に慣れてくると顧客対応も任されるようになるので、学んだことを実践で試して着実に身につけることが可能です。
不動産に関する知識も学ぶことができるというメリットもあります。
新聞社
新聞社での主な仕事内容は、既存顧客に対する更新案内です。
すでに契約している顧客の自宅を訪問して、更新の案内や契約継続のお願いをします。
飛び込み営業ではありませんが、個人の自宅を訪問するため確実に営業スキルが身につく仕事です。
将来にも生かせる学生におすすめする営業本
最後に、大学生などの学生が将来にも生かすことができるおすすめの営業本を2冊ご紹介します。
学生起業には、知識が必要不可欠です。
起業する際は、起業に関する本ばかり読んでしまいがちですが、営業についての勉強も忘れてはなりません。
ここで紹介する2冊の営業本も、ぜひ参考にしてみてください。
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
画像出典:Amazon
この本では、「凡人」に重点を置き、凡人でも実践することができるセールストークを紹介しています。
お客様は自分自身が欲しいものを知りません。
この事実をほとんどの起業家が見落としているようです。
お客様は特定の商品ではなく自分自身の欲求を満たしてくれる方法を求めています。
「お客が欲しいというものを、売ってはいけない」 それがセールスの極意。客が本当に何を望んでいるのかをしっかりと把握するために必要なこととは? 売り込み型セールス&顧客と会うプレッシャーから解放される究極の一冊。
引用:Amazon
「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業
画像出典:Amazon
この本では、トヨタ、大阪ガス、生協の営業マンたちが実践する3つの質問を会話に取り入れ、売り上げ目標を達成するノウハウを紹介しています。
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引用:Amazon
学生時代に起業するなら営業大切のまとめ
本記事では、起業する上での営業の必要性や営業の極意についてご紹介しました。
起業して事業を継続していくためには、営業が必要不可欠です。
営業経験のない学生が起業した場合は、営業に苦戦してしまうかもしれませんが、学生ならではのネットワークやSNSを活用して営業していきましょう。
起業前に営業スキルを身につけたいと思うのであれば、営業に特化した職種でアルバイトしてみるのもおすすめです。
営業スキルは、起業だけでなく将来の就職にも大いに役立つスキルなので、身につけておいて損はありません。
学生におすすめの営業本も紹介していますので、自分に合った方法で営業スキルを磨いていきましょう。