会社員として働きながらも「独立したい」と考えている人はたくさんいます。
初めての起業でいきなり会社を設立するというのはハードルが高いものですが、個人事業主という形であれば、初めてでも起業しやすいのが魅力です。
本記事では、個人事業主として起業するための基礎知識やお金のこと、起業アイデアや成功するためのポイントについて、関連記事も含めてご紹介します。
個人事業主として起業する際の注意点もしっかりとチェックして、起業を成功させましょう。
個人事業主として起業するには
まずは、個人事業主として起業するためには何が必要なのかを見ていきましょう。
ここでは、必要なものと開業届けについて、それぞれ触れていきます。
必要なもの
個人事業主として起業する際に必要なものは下記の通りです。
- 開業資金
必要な資金の30%は自己資金を開業の3ヶ月前までには用意する
借入をする場合は2〜3ヶ月前までに準備を開始する - 開業届
開業から1ヶ月以内に提出する - 青色申告承認申請書
開業から2ヶ月以内に提出する - 事業開始等申請書(個人事業税)
開業から15日〜1ヶ月以内に提出する - 事務用品の準備
- 保険加入の準備
この他にも、起業の計画プランごとに必要なものもあります。
計画プランごとに必要なものに関しては、1年以上前から準備が必要な場合もあるので、しっかりと計画を立てて計画通りに準備を進めましょう。
個人事業主として起業する際に必要なものについての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
開業届について
個人事業主として起業した場合、開業から1ヶ月以内に「開業届」を提出する必要があります。
提出する段階になって戸惑うことがないように、事前にしっかりと知識をつけておきましょう。
開業届は、事業を開始したことを税務署に報告するために必要なものです。
開業した場合は原則として届け出が必要となりますが、届け出なかった場合も罰則はありません。
開業届についての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
開業届を出すメリットや届け出る際に必要な書類、注意点についてもしっかりとチェックしておきましょう。
個人事業主で起業する際のお金について
起業する際に必ず必要になるのがお金の知識です。
個人事業主として起業する場合も、起業する前にお金についてしっかりと学んでおきましょう。
ここでは4つの項目に分けてご紹介します。
- 資本金はどうする?
- 資本金と開業資金の違いとは
- 資金調達はどうする?
- 助成金/補助金とは
資本金はどうする?
起業する場合は必ず資本金が必要だと思っている人も多くいますが、実際には、法人として登記しない個人事業主であれば資本金は必要ないとされています。
そのため、個人事業主は資本金が0円でも開業することができるのです。
しかし、実際に起業するためには準備資金が必要となります。
法人の場合は、この準備資金を「資本金」と呼びますが、個人事業主の場合は「元入金(もといれきん)」と呼んで区別しています。
資本金についての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
資本金と開業資金の違いとは
では、資本金と開業資金にはどのような違いがあるのでしょうか?
- 資本金
法人や事業を始めるにあたって最初に出資される自己資金のこと - 開業資金
開業するために最低限必要となる資金のこと
個人事業主の場合は、資本金のことを「元入金」として扱います。
また、開業資金は、開業に関わる賃貸契約料・工事費用・設備費用・求人費・人件費などが含まれており、事業形態や業種によって金額が大きく異なります。
資本金と開業資金の違いについての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
資金調達はどうする?
起業を目指すのであれば、資金調達についての知識も深めておく必要があります。
自己資金だけで開業することができればベストですが、自己資金だけでは起業するのが難しいという場合も多いのが実情です。
また、開業してから数ヶ月は思うように利益が出ない場合もあるので、十分に資金調達を行い、運転資金についても余裕をもって用意しておく必要があります。
資金調達方法には様々な種類がありますが、個人事業主におすすめの調達方法は4つあります。
- 新創業融資制度(日本政策金融公庫)
- 中小企業経営力強化資金(日本政策金融公庫)
- 信用金庫から借り入れ
- 銀行から借り入れ
複数の資金調達方法を組み合わせることもできるので、自分に合う方法を見つけてしっかりと資金調達を行いましょう。
資金調達についての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
借り入れするメリットや注意点も確認しておくことをおすすめします。
助成金/補助金とは
個人事業主として起業する場合には、助成金や補助金も積極的に活用していきましょう。
助成金や補助金は、国や地方公共団体などが起業を支援するために用意している資金なので、条件さえ満たしていれば誰でも受け取ることが可能です。
また、返済の義務がないため、開業後の負担になりにくいという魅力もあります。
助成金と補助金の違いは下記の通りです。
助成金 | 補助金 | |
応募団体 | 主に厚生労働省 | 主に経済産業省 |
主な目的 | 雇用安定のための助成 | 公益となる事業への補助 |
申請時期 | 申請時期であればいつでも可能 | 申請は起業前や補助事業を行う前 |
募集予算 | なし | あり |
選考方法 | 条件が合えばほぼ確定 | 審査あり |
表を見ると、補助金よりも助成金のほうが利用しやすいことがわかるでしょう。
助成金と補助金についての詳細は、下記の記事をご覧下さい。
個人事業主向けの起業アイデアとは
ここからは、個人事業主向けの起業アイデアを9つご紹介します。
なかなか起業アイデアが見つからないという方は、ぜひ参考にしてください。
- とにかく初期費用を抑えたい →【ネット関連】
- 店舗を持たない方法もある →【飲食関連】
- 顧客に物などを貸し出す →【レンタル関連】
- 顧客に代わりに物事を行う →【代行関連】
- 自身のスキルを提供する →【専門家関連】
- 人に物事を教えるのが好き →【教室関連】
- とにかく1人で大きく稼ぎたい →【投資関連】
- 自身の地域に貢献したい →【地方密着型関連】
- 国内以外でも活躍したい →【海外関連】
下記の記事では、上記9つの項目について”全64種類”の起業アイデアを紹介していますので、ぜひご覧下さい。
個人事業主で起業して成功するには
では、個人事業主で起業して成功するには、基本的に何が必要なのでしょうか?
成功するためのポイントをご紹介します。
- いかに集客できるかが成功の鍵
- 営業力はそのまま集客力に直結する
- 最低でも3ヶ月は続ける覚悟でコツコツと継続する
- 相談したり切磋琢磨できる仲間を作る
- 既存の成功事例と失敗事例から学ぶ
- 起業した後も勉強し続ける
- 目標に向かって積極的に行動する
- 開業資金や運転資金を早い段階から準備する
- 収支や仕入れに関するお金の計画もきちんと立てておく
- 常に利用者のニーズを考え、柔軟に対応する
初めて起業する場合には、不安なことも多く、予想外のトラブルに直面することもあります。
成功するためのポイントを1つ1つチェックして、成功の確率を上げていきましょう。
個人事業主で起業する際の注意点
最後に、個人事業主で起業する際の注意点も確認しておきましょう。
- 確定申告はどうする?
- お金が回らなくなった場合は?
確定申告はどうする?
個人事業主として確定申告をする場合には「白色申告」と「青色申告」を選ぶことができますが、青色申告の方がメリットが多いと言えます。
2014年に白色申告のルールが大幅に変更されるまでは、「白色申告は青色申告よりも簡単に申告できる」というメリットがありました。
しかし、ルール変更により全ての人に記帳と帳簿の保存が義務付けられたため、白色申告と青色申告の違いがほとんどなくなったのです。
青色申告のメリットは下記の通りです。
- 特別控除は最大65万円
- 30万円未満の資産は即時償却
- 赤字は3年繰り越せる
- 青色事業専従者給与で節税できる
青色申告を行うための「青色申告承認申請書」の提出期限は開業から2ヶ月以内なので、開業届を提出する際に一緒に提出するのがおすすめです。
お金が回らなくなった場合は?
個人事業主として起業している人の中には「経営が苦しい」「お金が回らない」という悩みを持っている人も多くいます。
お金が回らず固定費用などの支払いを滞納し続けてしまうと、法的処置を取られたり、廃業に追い込まれる可能性があります。
お金が回らないという状況に陥ってしまった場合には、下記の方法を検討してみましょう。
- 支援制度を利用する
- 債務整理に踏み切る
まずは、政府や地方自治体の支援制度を利用するのがおすすめです。
納税が難しいという場合には、税務署に相談することで最大1年間の猶予を貰えることもあります。
様々な支援制度があるので、自分にあうものをじっくりと探してみましょう。
支援制度を利用しても、借金が膨らみ続けてしまうといった場合には、債務整理も視野に入れる必要があります。
債務整理は、借金の元金を減らしたりなくすための手段です。
債務整理にも様々な種類があり手続きも複雑なので、利用したい場合には弁護士に相談するのがいいでしょう。
個人事業主として起業するには-まとめ
本記事では、個人事業主として起業するために必要な情報をまとめてご紹介しました。
個人事業主で起業する際のお金の知識や起業のアイデアなど、関連記事も併せてしっかりと確認しておきましょう。
また、成功のポイントや注意点についてもそれぞれチェックしておくことをおすすめします。