最近では、インターネットを活用して簡単に起業できる環境が整っており、大学生などの学生起業も増えています。
本記事では、学生を起業支援してくれる企業や助成金についてご紹介します。
学生企業を目指している場合は、支援を受ける際に注意すべきポイントもしっかりとチェックしておきましょう。
学生を起業支援してくれる企業8選
起業を考えてる学生にとって、起業をサポートしてくれる団体や会社は非常に力強い助けとなるものです。
ここでは、実際に学生の起業をサポートしてくれる8つの団体や企業をご紹介します。
- GAKUcelerator
- コムロコンサルティンググループ
- KBB Next
- ETIC
- 旅武者
- START UP WEEKEND JAPAN
- MIYAZAKI START UP VALLEY
- 各都道府県のサポート
では、それぞれの詳細について確認していきましょう。
GAKUcelerator
画像出典:GAKUcelerator
GAKUceleratorとは、学校を問わずあらゆる学生スタートアップに支援を行っているプログラムです。
小学校から大学院まで学校の種類は問いません。
選ばれた企業には、以下のような企業の発展に必要なリソースを提供します。
- メンタリング
- データ
- PR
- 採用
- 事業資金支援 など
また起業に失敗した場合も、セーフティネットとして就職支援を行っています。
GAKUceleratorの特徴
GAKUceleratorの特徴としては以下の4つが挙げられます。
- 支援家ネットワーク
- 200,000件超の企業データ
- 1,200名の営業チームで営業支援
- 最大1億円出資/業務提携
以上の4つは、起業したい人にとって、非常に手厚いサポート体制となっています。
特に、支援家ネットワークでは、スタートアップに特化した支援チームを組んでおり、専門家と一緒に専任メンターがメンタリングをしてくれます。
他にも、企業データが揃っていたり、積極的に顧客開拓の営業を行ってくれるなど、事業をスケール(拡大)するにあったて必要なサポートが充実しています。
また、出資金が最大1億円という点やGAKUceletorの運営元であるディップと業務提携を行える点も魅力的です。
GAKUceleratorの活動内容
まずは書類審査と面談審査を行い、選考通過者のみ専任メンターが3ヶ月間経営支援を行います。
専任メンターと話し合いながら、ビジネスモデルの精緻な検討、営業・採用支援など行い、同時に様々な専門家を紹介し、ビジネスモデルをさらに明確にします。
その後は、業務支援や出資支援、営業支援を行い、事業拡大を狙って活動の幅を広げていきます。
万が一、事業の継続ができなかった場合は、セーフティーネットとして就職支援を行います。
コムロコンサルティンググループ
画像出典:コムロコンサルティンググループ
コムロコンサルティンググループとは、セミセルフ(SemiSelf)という独自のビジネスモデルを用い経営やビジネスなどの創新・創出・拡充をサポートしているグループ会社です。
「小室経営塾」「小室研究所」「小室ラボ」を運営しており、それぞれで経営に関する知識を学ぶことができます。
コムロコンサルティンググループの特徴
コムロコンサルティンググループでは、個人の満足を徹底的に探求した経営コンサルティングを行っています。
製品やサービスに対する付加価値の付け方を一緒に考え、サポートしてくれます。
また、コムロコンサルティンググループは、アジアで活躍する起業をサポートしているため、グローカルな視点・視野・視座を重視した経営コンサルティングに力を入れています。
そのため、幅広い視点からコンサルティングが可能となり、起業に必要な様々な知識を得ることが可能です。
コムロコンサルティンググループの活動内容
コムロコンサルティンググループの主な活動は「小室経営塾」「小室研究所」「小室ラボ」です。
小室経営塾では、四大経営資源の「ヒト・モノ・カネ・情報」を中心に経営を学ぶ Executive Program を開催しています。
小室研究所では、起業動向の現状分析を上半期・下半期の年2回に分けておこなっています。
小室ラボでは,サービスの新しい価値 の観点から IT・ICT の未来像に関して研究をおこなっています。
KBB Next
画像出典:KBB Next
KBB Nextとは、ビジネススクールとビジネスコンテストを融合させた国内TOPクラスの学生起業家輩出プロジェクトです。
ビジネススクールとしては、約半年間の特別講師の授業を受講し、ビジネスプランをブラッシュアップできるようにサポートします。
また、勉強会も頻繁に行われているので、ビジネスパーソンとしての必須スキルを習得することができます。
ビジネスコンテストでは、優れたビジネスプランには創業資金として必要な金額を出資しており、ビジネスの場で活躍したい学生を全力でサポートするプロジェクトとなっています。
KBB Nextの特徴
KBB Nextの活動は8年間の実績があり、卒業生は100人を超え、30社以上の学生起業家を輩出しています。
起業したい学生に必要な情報について熟知しており、サポート体制が整っていると言えるでしょう。
また、1社に対する出資金額は最大で2500万円となっており、これまでの出資総額は2億円以上です。
資金面でのサポートが非常に手厚い点も魅力となっています。
さらに、KBB Next卒業生による同窓会も定期的に開催しており、幅広い世代から起業に関するノウハウを学ぶことや心高いビジネスパーソンとの交流を深めることができます。
KBB Nextの活動内容
KBB Nextは、以下のミッションステートメントを掲げて活動をしています。
- Action!あれこれ考える前にまずやってみる
- いつでもどこでも誰からも常に学びとる姿勢を忘れない
- わからないことはその場で即質問をする、絶対にわからないままにしない
- 約束を守る
- 政治・経済の動きに関心を持つ
KBB Nextでは、行動することを重要視し、結果を残せるようにするためのプログラムを実施しています。
毎月様々な課題が出されるため、脱落していくメンバーも少なくありません。
また、活動中は、参加者全員がビジネスパーソンとして扱われるため、ビジネスマナーに違反するような言動に対しては厳しい指導が行われます。
※参考:KBB Next 公式サイト
ETIC
画像出典:ETIC
ETICとは、社会の未来を作る人を育むNPO法人になります。
ETICが手がける実践型インターンシップや起業支援プログラムへの参加を通して、1000人以上が起業を実現しています。
また、プログラムやイベントのエントリー数は16000人を超えており、非常に多くの実績があります。
ETICの特徴
ETICの特徴は、やはりプログラムやイベントの参加人数が非常に多いことです。
参加人数が多いことによって、周りの環境も刺激となり、お互いに高め合っていくことができるようになります。
また、企業や行政、大学などのパートナー数も多く、起業をするために必要な情報が集まりやすいのもETICの特徴です。
ETICの活動内容
ETICでは、主に以下のようなキャリアに関する機会提供を行っています。
- 実践型インターンシップ
- 起業支援プログラム
- 先輩起業家や事業パートナーと繋がるコミュニティ
- キャリアに関する情報発信 など
参加をすることで起業前に知識を身につけたり、サポート環境を整えることができます。
※参考:ETIC 公式サイト
旅武者
画像出典:旅武者
旅武者とは、学生から社会人まで一貫した人事事業を行い、幅広い世代の人材育成に携わっている企業です。
主体的に考え・行動できる人に必要な「学び」「人」「機会」を提供するプログラムを主に開催しています。
旅武者の特徴
旅武者の活動内容は、主に4つに分けることができます。
- 学生向けビジネス研修:海外ビジネス研修 武者修行
- 企業向けビジネス研修:ビジネス・語学研修
- 人材紹介:就活・転職支援
- 戦略人事コンサルティング:経営戦略
学生から社会人までの人材事業をやっているため、様々な世代が連携して活動することができるのが特徴です。
旅武者の活動内容
旅武者では、以下の一連のビジネスを参加者自身が実際に行います。
- 新商品企画
- 開発
- マーケティング
- 営業
- 効果測定
- 損益分岐点計算 など
超実戦型のプログラムなので、実力が身につきやすく、起業後にも活かすことが可能です。
※参考:旅武者 公式サイト
START UP WEEKEND JAPAN
START UP WEEKEND JAPANとは、日本で行われる「START UP WEEKEND」というイベントのことです。
START UP WEEKENDは、世界数百都市で開催されているイベントで、金曜日の夜から日曜日にかけて合計54時間で起業にチャレンジすることができます。
起業するための知識をそこに集めること、そしてスタートアップの世界で助けを必要としている人々を助けることが目的で開催されるイベントです。
START UP WEEKEND JAPANの特徴
START UP WEEKEND JAPANは、誰でも参加できることが特徴です。
参加者は、「いつか起業をしたい」と考えている会社員やフリーランスから、「すでに起業をしているけど、もう一度スタートアップを考えている」という起業家まで多種多様です。
職種も様々で、マーケッター、デザイナー、開発者、法務、事業開発などの専門家も参加しています。
様々な人が集まるため、起業するための非常に役に立つ情報を身に着けることができるのが特徴です。
START UP WEEKEND JAPANの活動内容
START UP WEEKEND JAPANの主な活動内容は以下の通りです。
- 1日目:チーム構築
- 2日目&3日目午前中:アイディアの煮詰め
- 3日目17時から:プレゼン&審査
START UP WEEKEND JAPANは、3日間という短い期間で事業内容を考えることが重要なイベントです。
また、審査によって優勝チームを決めた後は、審査員も参加するパーティーが開催されます。
審査員を含め様々な人と交流を深めることができ、さらに起業に関する知識を身に着けることが可能です。
※参考:START UP WEEKEND JAPAN 公式サイト
MIYAZAKI START UP VALLEY
MIYAZAKI START UP VALLEYとは、「チャレンジしやすい文化を創る」をミッション掲げ、企業・個人問わずチャレンジする人を支援する有志団体です。
宮崎県で活動をしており、市と協力してビジネスプレゼンテーション大会を開催するなど、県内各地で幅広い活動を行っています。
MIYAZAKI START UP VALLEYの特徴
宮崎県で活動をしているので、宮崎県内の様々な団体や会社から充実したサポートを受けることができるのが特徴です。
また豊かな自然と気候の中で事業のプランを考えることができるのも、MIYAZAKI START UP VALLEYの魅力となっています。
MIYAZAKI START UP VALLEYの活動内容
MIYAZAKI START UP VALLEYの活動内容は以下の通りです。
- 定期イベントの開催
- クラウドファンディング
- メンタリング・資金提供
まずは、3ヶ月に1度の定期イベントで、プレゼンテーション大会や国内外で活躍するスタートアップや有名企業との共催イベントを行います。
その後、イベントで出た課題を明確化し、クラウドファンディングで発信を行います。
実現の可能性が高い事業には、資金提供や資金調達の協力が行われます。
※参考:MIYAZAKI START UP VALLEY 公式サイト
各都道府県
各都道府県には、スタートアップを支援してくれる創業支援センターが設置されています。
主な支援内容としては、以下のことが挙げられます。
- 中小企業の新しい事業を支援
- 創業セミナーの実施
- スタートアップ塾
- センター職員の技術支援
- 融資のあっ旋
ただし、創業支援センターは、各都道府県によって支援内容が異なります。
学生起業家でももらえる助成金
学生起業家でも以下の団体から助成金をもらうことができます。
- 厚生労働省
- 地方自治体
- 民間団体・企業
では、それぞれについて詳しく確認していきましょう。
厚生労働省
画像出典:厚生労働省
厚生労働省では「キャリアアップ助成金」を支給しています。
キャリアアップ助成金とは、非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するもので、取り組みを実施した事業主に助成金が支給される助成金です。
キャリアアップ助成金とは、日本において雇用保険法等を根拠に、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進す るため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対する助成金の一である。雇用保険のなかの「雇用保険二事業」と呼ばれる事業のうちの雇用安定事業として行なわれる。
人材を雇った後に、決められた条件をクリアした場合のみ、助成金が支給されることになっています。
また、キャリアアップ助成金には7つのコースがあるので、当てはまるものを確認するようにしましょう。
※ 参考:厚生労働省 キャリアアップ助成金
地方自治体
各都道府県によって異なってきますが、地方自治体にも起業を支援する制度が導入されている場合があります。
また、地域に密着した事業内容であれば、その地域がバックアップをしてくれる可能性もあります。
民間団体・企業
民間団体や企業でも起業を支援している場合があります。
支援内容はその団体によって異なりますが、様々な団体が支援を実施しているので、自分にあった団体を選ぶようにしましょう。
学生起業家が支援を受ける際に注意すること
ここからは、学生起業家が支援制度を活用する際に注意すべきポイントをご紹介します。
主に以下のことに注意して支援制度を利用するようにしましょう。
- 目的の明確化
- リスクの回避
では、それぞれについて確認していきましょう。
目的の明確化
起業は「目的」ではなく「手段」です。
学生起業では、起業すること自体が目的となってしまい失敗してしまうケースが多く見られます。
まずは何をしたいのかを考え、目的を明確化しましょう。
じっくりと考えた結果、起業が必要であれば起業し、支援が必要であれば申請するのが賢明です。
リスクの回避
資金不足が課題になりやすい学生起業家にとって、支援を活用できることは大きなメリットです。
しかし、支援を利用して大きな借入をして起業する場合、最初から資金面で大きなリスクを背負うことになります。
起業して成功する確率はごくわずかなので、起業や経営の経験がない学生起業家が、莫大な資金をかけて起業するのは非常にリスクが高いと言えます。
支援にも様々な種類があるので、安易に借入して資金を確保するという道を選ばずに、経営の知識やノウハウを学んだり人脈を広げることに重点を置き、じっくりと検討するようにしましょう。
学生が起業する場合は、初期投資を少なく抑えて起業し、徐々に事業を拡大していく方法がおすすめです。
学生起業の為の支援まとめ
本記事では、学生起業を支援してくれる団体や制度について紹介してきました。
学生起業と言っても、起業をしてしまえば他の起業家と立場は同じです。
そのため、支援を受ける際は「学生だから…」といった理由だけで支援を受けることはできません。
支援を受けたいのであれば、まずしっかりと目的を持って行動する必要があります。
その上で、自分に合った支援をしてくれる団体や制度を選ぶようにしましょう。